切り花を飾るためのガラスや陶器の器には、さまざまな種類と名前があります。
- 「花器」と「花瓶」はどう違う?
- 生け花で使うあの道具の名前は?
- フラワーアレンジメントの緑色のあれは?
など、名前を知らなかったり、名前が出てこなかったり……。
この記事では、切り花を美しく飾るための基本的な器の名前とその特徴について解説しています。
言っておきますが、超基本的なことしか紹介していない初歩レベルの記事ですよ。
まあ、そう言わず、最後までお付き合いくださいね♪
花器と花瓶の違いとは?
花器(かき)はお花を活けるための器の総称で、花瓶は花器の一種です。
私たちが普段用いる花器といえばもちろん、花や植物を手軽に活けられる花瓶のことを指す場合がほとんどです。
しかし、花器には生け花で用いるような和風の器や壺などもすべて含まれます。
花器にはさまざまな形状がありますが、素材についても、ガラス、陶器、プラスチック、金属など、多様なものがあります。
花器の種類と特徴
花器は、花を活けるための器すべてを指すことをご説明しました。図以外でも、花を活けるための器は花器と言えます。
ここでは、代表的なものを解説していきます。
花瓶
花器の中でも、特に代表的なものが花瓶ですね。最もイメージしやすいのはガラス製の花瓶ではないでしょうか。
ガラス製の花瓶の特徴
ガラスの花瓶はクリアで清潔感があり、光を通すことから部屋の雰囲気を明るくしてくれます。おしゃれなデザインのものであれば、インテリアが一気に洗練されて見えるでしょう。
また、ガラスの花瓶は透明で中の状態を確認しやすく、水の減り具合や濁り具合などが一目瞭然。切り花の状態を管理しやすいのがメリットです。
形はさまざまで、円筒形や楕円形、直方体、卵型やマーメイド型、切り子のように表面に加工ががされているものなど、デザインも充実しています。
ガラス製の花瓶は王道ですね!
陶器製の花瓶の特徴
陶器製の花瓶は、信楽焼や波佐見焼など、和風のものが多いのが特徴です。
花などの絵付けがされているものや、表面に「櫛目(くしめ)」という装飾が施されたのものなど、和陶器ならではの味わいのあるものが多いです。
和風だけでなく、洋風の陶器製の花瓶もあります。手に入れやすく、イメージしやすいのは、すっきりと洗練されたウェッジウッドの花瓶でしょうか。
あまりカラフルなものや、花瓶だけがやけに目立つようなデザインはおすすめしません。花の美しさが引き立つシンプルなものが使いやすいでしょう。
金属製の花瓶の特徴
金属製の花瓶には、ガラスや陶器とは違う魅力があります。
繊細なデザインやアンティークな雰囲気、金や銀などのメタリックな素材感が好きな方にはおすすめです。
また、小さなお子さまがいる家庭では金属製は割れないので安心ですね。
フラワーベース
フラワーベースと花瓶は、基本的にどちらも同じものを指します。
花瓶は英語で「Vase(ベース)」と言いますので、日本ではそこに「フラワー」をつけて「フラワーベース」と呼ぶようになったとか。
とはいえ、あえて「フラワーベース」呼ぶ場合は、和風ではなく洋風の花瓶を指して使うことが多いでしょう。
一輪挿し
一輪挿しは、文字通り一輪だけ花を挿したり、1~2本の植物を活けるための小さな花瓶のことです。
庭に咲いている花を摘んで1本だけ飾りたい時や、フラワーショップで1~2本だけ花を購入する時などに用います。
壺
壺は陶器製の花瓶とも言えますが、それ自体が美術品として高価だったり、柄や模様が入っていたりと、存在感や重厚感があります。
生け花などではよく用いられますね。
ビッグサイズのものは大容量の花を活けることができるので、旅館やホテルのエントランスを飾るのにも適しています。
水盤(すいばん)
水盤(すいばん)とは、底の浅い陶製または金属製の花器のことで、生け花では頻繁に用います。
左右非対称や、手作りの陶器ならではの湾曲したフォルムの味わいを楽しむことができます。
水盤の中に花を固定するための道具(剣山や七宝)を置いて、花を活けます。
花を飾るための道具の紹介
花器に花を飾るために使う道具は、プロではない一般人が覚えておけばいいのは3つだけです。
「オアシス」「剣山か七宝」「花ばさみ」です。
オアシス(フローラルフォーム、吸水フォーム)
オアシスは、フラワーアレンジメントで用いる吸水性のスポンジで、
正式には「フローラルフォーム」といいます。
フラワーアレンジメントの器の中に入っている緑色のあれですね。
オアシスにたっぷりの水を含ませることによって、花は必要とするだけ水を吸うことができます。乾いてきたら、水を足して使います。
また、オアシスには、挿した場所に花をしっかりと固定する特性があり、フラワーアレンジメントの花の配置決めの重要な役割を担っています。
剣山(けんざん)、七宝(しっぽう)
花を固定するための金属製のもので、生け花に用います。文鎮のようにずっしりと重く、花の重みに耐えられるようになっています。
剣山は未生流、池坊、草月流、小原流など幅広い流派で用いられています。
また、七宝は、主に嵯峨御流で使用します。
華道には長い歴史と伝統がありますので、それぞれの流派で用いる道具も異なります。
花ばさみ
生け花に用いるはさみです。
蕨手(わらびて)は、持ち手がわらびのようにくるっと巻いた形状で「池坊はさみ」と呼ばれます。
蔓手(つるて)は持ち手が輪のようになっており、伝統的な「古流はさみ」と呼ばれます。
まとめ
切り花を飾るための器と道具について、一般人が最低限知っておきたい用語をまとめてみました。
この記事を最後まで読んでくださったあなたは、きっと花に興味があるのだと思います。
手近に用意できる花瓶からで良いので、どうぞ花を飾って楽しんでくださいね!
ちょっとだけ参考になったかも……。
そう? だったら嬉しいわ。